【本】鍵のかかった部屋〜5つの密室〜
新潮文庫NEX から出ている
鍵のかかった部屋〜5つの密室〜
を読みました。
密室がある。糸を使って外から鍵を閉めたのだ。
というミステリの王道中の王道のトリックをそれぞれ必ず使用するという縛り。やっぱりプロの作家は違うよな。と思う、各自の素晴らしい作品たち。
似鳥鶏さんの このトリックの問題点
ミステリ研究会会長の部屋で密室盗難事件がありそれを解決するという内容。
ミス研って何やるのか想像つかないけど、この登場人物たちの会話は面白かった。
友井羊さんの 大叔母のこと
この物語の内容は、亡き大叔母の家に残された開かない部屋を開けようと奮闘するはなし。とても優しくて、でもどこか寂しくて。他の友井さんの作品に通じるような温かさのある内容だった。
彩瀬まるさんの 神秘の彼女
学生寮の部屋、目覚めると横に大仏がいるという驚きの始まり方。大学寮というテンション高めの空間で起きたことでとても笑いも出てきそう。この物語の中心は、密室に置かれた大仏ではなくて、大学生の淡い恋物語。なんとも意外な展開で非常に面白い作品だった。
芦沢央さんの 薄着の女
ホテルの一室で、女優の横で男が死んでいた。女優は駆け出しなのでスキャンダルを起こしたくない…その一身で密室を作り上げる。
2時間刑事ドラマをみてるような、そんなテンポの良さ。よみはじめて気づいたら読み終わっていた。
島田荘司さんの 世界にただひとりのサンタクロース
御手洗さんシリーズ。御手洗シリーズの話は読んだことなかったのでとても新鮮だった。以前、映画版で御手洗さんの話を観たけれど、上から目線のちゃっと嫌な言い方する探偵っていうイメージがあったけど、この御手洗さんはそんなことなかった。学生の御手洗さんだからなの??人気シリーズのスピンオフ作品なだけあって起承転結がはっきりしていてわかりやすくて面白かった。
総じて、捨て作品のない一冊の本でした。
他のトリックでも読んで観たいなぁも思ったり。